実家に預けた日

 どうしても後輩犬を預けるということが納得できず、前日までずっと悩んで悩んで。

預ける段取りは全て整っているので悩んでも仕方ないのですが、これで良いのか、もしこの先会えなくなったら?などがグルグルと巡り辛くて仕方ありませんでした。

会える保証なんてない。私たちに捨てられたと思っているかもしれないのに、安易に会いに行ってさらに傷つけることになったらどうしよう...というか絶対傷つく。会っちゃいけない。でもあんなに可愛い子に会えないなんて信じられない。

私のメンタルとホルモンが元に戻って、肝っ玉母ちゃんみたいになって受け入れられるようになったら一緒に暮らせる。そう言い聞かせて頑張るしかない。早く、早く、早く。


当日は、夫と後輩犬の荷物をまとめて抱えながら実家に帰りました。

まさか置いていかれるなんて思っていないけれど、先輩犬がいなくて少し違和感を感じているのがわかる。こういうのはデリケートなのですぐに伝わってしまう。私のちょっとした緊張や汗などが分かるのだそうです。

ケージを設置し、クレートを設置し、トイレの場所を決め...心が痛くて潰れそうでした。

犬を飼いたかった母はとても張り切っていて私との温度差がとてもありましたが、私も落ち込んだまま悲しい顔のままでいちゃいけないと思い直して笑顔で頑張りました。

家を走り回ったり、クンクン匂いを嗅いだり、私に飛びついて来たり。これが最後ではないので別に大丈夫大丈夫と思いつつも、可愛い可愛いとずっと目で追っていました。

40分くらいで夫がすぐにタクシーを呼び、母はさっさと後輩犬を抱きかかえ「じゃーね」と私から見えない場所に消えて行きました。夫と母で打ち合わせでもしていたのかな、秒速で引き離され、お別れを言うこともなくあっという間に帰宅となりました。

帰り道は号泣して歩けないんじゃないかと思っていたのに、あっという間の出来事で終始きょとんとしたまま。

いつもはまっすぐ帰りたいはずの夫が「少しIKEAに寄ってから帰ろうか、欲しいものがあるんだよね」と言って率先してIKEAに誘導してくれて、気を紛らわせるかのように商品を見たり買ったり笑わせてくれたり。

周りの優しさをじわじわと感じながら、どうにかこの気持ちを落ち着かなければと思いながら眠りにつきました。気になって気になって仕方ない。後輩犬はちゃんと眠れているだろうか。とても悲しい気持ちで泣いているんじゃないか、などなど考えると涙が止まらないので必死で寝ました。

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